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​Wake Up Japan の最新情報

Wake Up Japanでは、社会変革の事例を学び、日本での活動をよりよくするために現地調査訪問事業を行っています。この度、京都府宇治市にあるウトロ平和祈念館を訪問し、同地における在日コリアンの方々の共生と人生の歩み、運動について学ぶ機会を持ちました。

京都府宇治市にあるウトロ地区は、1940年から日本政府が推進した「飛行場建設」に集められた朝鮮半島ルーツの労働者たちの飯場跡に形成された集落です。当時在日コリアンの人たちは徴用や貧困から逃れるために飛行場建設の過酷な労働に従事し、やがて日本の敗戦により工事が中断されると、放置されました。

日本の敗戦後、多くの労働者は帰国を希望しましたが、日本の植民地支配によって故郷での生活基盤が破壊され、また朝鮮半島も政情が混乱していることや日本政府による財産の持ち出し制限などが要因となり、日本にとどまる人々もいました。こうした人々によって集落として形成されたのがウトロ地区です。


在日コリアンの人々の暮らしや土地をめぐる運動の歴史を語り継ぐためにできたのが、「ウトロ平和祈念館」です。


今回、Wake Up Japanのメンバーとアメリカでヒスパニック系の住民の権利運動にかかわる友人、京都出身の学生の3名で平和祈念館を訪問しました。


ウトロ平和祈念館のスタッフの方に丁寧にウトロの在日コリアンの方々の歴史、歩みの中での一人ひとりの物語についてお話を伺いました。


特に、ウトロ地区は、大雨や台風がくれば水はけが悪く、浸水するなど過酷な状況であり、また上下水道の行政サービスも長らく受けることができなかったことなどを知り、大変驚きました。


こうした中で、住民の人々が土地で生きることを訴えたこと、そうした声に日本国内や韓国、そのほか世界各地から支援の表明や応援が届いたことも紹介されました。


住民の方が韓国のバラエティ番組に出演をすると、その人柄から多くの人々が支援に名乗りをあげたこともお聞きしました。


中には、2014年に多くの高校生を乗せて転覆、沈没したセウォル号事件の生存者の若者たちが訪れ、ウトロの人々に対して、「連帯」を表明する似顔絵を描いていった話なども伺いました。


ウトロの住民たちの運動は裁判では残念ながら聞き入れてもらうことはかないませんでしたが、国内外からの多くの支援もあり、一部の土地を購入し、住民が住める場所を建設し、また、このウトロ平和祈念館ができました。


ウトロ平和祈念館の展示の中で特に印象に残った住民の方の言葉がありました。

「(裁判に負けたけれども)私はよかったと思う。運動をしなかったら、私は日本人を憎んでいたと思う。運動を通じて、多くの人々が応援をしてくれて、もう私は誰も恨んでいない。」


訪問した際に私たちは歴史の中で過酷な状況に置かれたこうした人々の心が運動を通じて癒されていくことに心が揺さぶられました。

ウトロの人々の思いや歩みについて、より多くの人に知ってもらいたいと思いました。


また、スタッフの方に屋上も案内をいただきました。

屋上では、ソーラー発電がされていました。

在日コリアンの方々の共生について取り組んでいる施設が、気候変動に向けた取り組みの担い手としても行動をされている姿に分野を超えたよりよい未来を作っていこうとする心意気を感じました。


今回の現地調査訪問を通じて、Wake Up Japanでは、引き続き、国内外で社会を変えたいと願い、行動する人々の歩みを学び、よりよい社会を導く方法について考える活動を続けていきたいと思いました。










Wake Up Japanでは、社会変革の事例を学び、日本での活動をよりよくするために現地調査訪問事業を行っています。この度、2024年6月16日に群馬県館林で開催されたロヒンギャの人々の支援のためのチャリティイベントにWake Up Japanのメンバーが視察に伺いましたので、報告します。

群馬県館林市には多くのロヒンギャの人々住んでいます。ロヒンギャの人々はもともとはミャンマーのラカイン州に住む人々であり、軍による弾圧を受け、国外に逃れてきた多くの難民や難民申請中の方が館林にはすまれています。


今回、Culture Bridge Fes!と題したイベントが開催されるというお知らせをいただいたので、視察に伺いました。ウェブサイトで事前に会場を確認していたので、そこまで大きなイベントではないと想定していましたが、当日お昼前に会場に到着すると10代の人々を中心に多くの人がいました。

主催者に挨拶をすると10代の高校生でした。もともとは数年前に2つの家族の4人の子どもたちによって、ロヒンギャの人々を助けたいと寄付金集めなどをはじめ活動が始まったそうです。

当日は、屋外では売り上げがチャリティとなるお弁当や雑貨、地元のお野菜の販売などがありました。

中心となった高校生の友人たちも運営に駆けつけており、またご家族や地域の方々も協力している姿を見かけました。

屋内のスペースでは、お話のプログラムが用意されており、主催の高校生が司会を務めて進行をされていました。

話し手の中には、地元館林で生活するロヒンギャにルーツを持つ方もお話になっていました。

また都内からもユースなんみんプラットフォームのメンバーであり、Wake Up Japanでも活動をしている金澤さんがご自身の活動に対する思いなどを分かち合っており、多くの10代が真剣に耳を傾けていました。

帰りがけに主催者の高校生の保護者の方をお話をしました。

活動のきっかけについてお聞きしたことろ、子ども時代に、お子さんがロヒンギャのお友達とおやつを食べようとしたところ、パッケージを見て宗教的に食べることができないものを見つけて、おやつを食べなかったことなど、多様な文化に触れる中で育まれた共感や関心についてお話になってくださいました。

暮らしの中で、友人として交流をすること、その人々が抱える痛みや困難に対して、「他人事」にならない社会環境が自然とあるようにも感じました。


今回の視察を通じて、つながること、一人の人間として向き合うことの重要性を改めて認識しました。

Wake Up Japanでは、社会変革の事例を学び、日本での活動をよりよくするために現地調査訪問事業を行っています。この度、2023年10月15日から22日まで高島菜芭がマレーシアで開催されたBasic Leadership Development Course(BLDC)<基礎的リーダーシップ開発コース〉に参加し、フェミニズムと社会教育に関して研修を受けてきましたので、以下報告をします。


【概要】

2023年10月15日〜22日に、ASPBAE(Asia South Pacific Association for Basic and Adult Learning)が開催するBLDCが開催され、今年度のテーマはFeminist Leadershipでした。


16カ国から30人超の、女性やマイノリティ支援をしている政府関係者/NGOの代表などが参加し、様々なフェミニストと交流をしました。


期間中は専門家による研修に加えて、マレーシアで活動をしている団体への訪問、相互文化交流、さらにはフェミニズムや社会教育の実践者である各国からの参加者との交流が行われました。




【参加のきっかけ】

私は2017年からヘルシーリレーションシップをテーマに活動をしています。パートナー間のDV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力の予防のために、対等な関係性構築のためのワークショップを実施したり、政策提言や啓発活動をしています。

大学在学中のイギリス留学をきっかけにフェミニズムに初めて触れ、活動を始めるきっかけとなったため、西洋的なフェミニズムが活動のベースとなっていますが、アジアのフェミニストの活動を参考にしたい、連帯したいと思ったのが参加のきっかけでした。



【印象に残ったコンテンツ】

プログラムの中で印象が強かったコンテンツを紹介します。

人生を川に例えてイラストを書き、powerful/powerlessだと感じた時についてグループでエピソードを一人ひとり語るアクティビティを行いました。心理的安全性のある中で、具体的なエピソードを通して参加者の価値観がわかる内容でした。アクティビティを実施してみて、日本と比較すると経済水準の低い国の出身者が多いとは言え、政府やNGOで既に活躍しているリーダー達が、人身売買や貧困、虐待など壮絶な経験をしていることが衝撃でした。トラウマを抱えながらも、女性やマイノリティへの支援を通して自分自身もエンパワーされているという話に心を打たれました。


現地のNGO訪問も印象的でした。Sisters in Islamという、マレーシア国内のイスラム系女性を支援する団体を訪問しました。マレーシア国内でFGM(女性器切除)や児童婚がかなり一般的な問題ということにまず驚きましたが、そういった複雑な問題について、同様の問題を抱える隣国のインドネシアのNGOと協力したり、イスラム法の解釈に問題があると考え、リベラルな解釈をしているイスラム法学者と協同しているという姿勢に感銘を受けました。


またインドの女性支援NGOのケーススタディも行いました。女性への家庭内暴力が社会的な問題となっているインド社会において、経済的な事情により離婚ができない女性たちがいました。そこで女性たちがタクシー運転手となるための数ヶ月のプログラムが提供されました。研修では、自動車の運転などの実務的な内容だけでなくて、フェミニズムや人権についても含まれていました。女性は経済的自由を得るだけでなく、女性が公共の場に出ること自体が公共の場をより安全な場所づくりを推進することになり、また、女性ドライバーがDVの被害者女性を避難させるにあたって移動の手段にもなるという、とても秀逸な仕組みづくりだと感じました。




【今後について】

プログラムや参加者との交流を通して、インターセクショナリティ(交差性)の重要性を感じたため、帰国後、LGBTQコミュニティ向けのヘルシーリレーションワークショップを実施しました。今後もヘルシーリレーションシップについて、経済格差、障がいの有無など様々な視点をかけ合わせた活動を進めていきたいと考えています。


高島菜芭


Wake Up Japan

Wake Up Japanは社会教育団体です。
わたしたちは、日本において一人ひとりが行動をする前提としての

「自分が持つパワー」に対する認識が低いことに着目し、

啓発教育を中心とした活動展開を行っている団体です。

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