2020年より始まった、市民間から対話を通じて平和を作る、東アジア平和大使プロジェクト。
6月25日(土)に、22年度事業初回となる、東アジア平和大使プロジェクトv.1をオンラインにて開催しました。
今年度初回となり、「事業・団体理念」を軸とした回に登壇して頂いたのは、
THE LEADS ASIA共同創設者の佐々木 彩乃さん。
東アジア地域の市民、特に若い世代から作る和解について互いの事業の理念や取り組みについて話す機会となりました。
詳細の報告は企画責任の長川のブログにて、ご参照ください。
以下は概要となります。
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開催概要
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■テーマ🎵
ミレニアル・Z世代から作る東アジアの未来 ―Wake Up Japan×THE LEADS ASIA―
東アジアは、「近くて、遠い」。
この言葉は、今の若い世代にとって、どれだけ現実味がある言葉なのでしょうか。
戦後76年以上たった今でも、東アジアの三ヵ国では、政治や歴史的な問題に起因し、互いの国に対し親しみを感じない人々が多い現状が世論調査の傾向では見られます。
一方で、「地理的に近く、心理的に遠い」というこの言葉は、
双方の社会、文化、人に多く接して育ったミレニアル・Z世代を中心とする若い世代については、
必ずしも当てはまる言葉ではないように思います。
2020年度から始まった東アジア平和大使プロジェクト。
私たちのような取り組みをする団体は、決して少なくありません。
今回は、その中から国境を越えたチームを組んで活動する、The Leads Asiaの佐々木彩乃さんをお迎えします。Wake Up JapanとThe Leads Asiaが大切にする価値観、取り組みを共有することで、
参加者の皆さんと共に、明日作りたい東アジアの社会について、考えるきっかけとしたいと思います。
また、3年目となる今年の事業の全体概要についても共有する場となります。
全体像についてご興味ある方は是非最後までご参加ください。
■日時🎵
6月25日(土)
午前10:00-11:30 (JST)
■開催形態 🎵
オンライン
ゲストトーク(The Leads Asia)
インタラクティブセッション(The Leads Asia&Wake Up Japan)
東アジア平和大使プロジェクト2022年について(Wake Up Japan)
■開催言語🎵
日本語
■リソースパーソン(敬称略)🎵
佐々木 彩乃(ささき あやの)
THE LEADS ASIA 共同創設者/Global Shapers Community Fukuoka Hub Vice-Curator
1997年長崎県生まれ。九州大学法学部卒。在学中、Bai Xian Asian Instituteの奨学生として香港大学に1年留学。日米学生会議にも参加。清華大学シュワルツマンスカラーズプログラム(修士課程)修了。在学時にメディア兼プラットフォームTHE LEADS ASIA共同創設。Global Shapers FukuokaにてVice Curatorを務めた。現在は外資系コンサルティング会社で企業の戦略コンサルに従事する。
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参加者の平和に関する認識
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今回はスピーカー・途中の出入りを含めて5名の方にご参加頂きました。
冒頭、参加者の東アジアの認識について、お伺いしました。
1.東アジアは「(地理的に)近くて、(心理的に)遠い」と思うか?(1つ選択、有効回答数2)
※回答するかしないかは参加者の任意
そう思う:2
そう思わない:0
無回答:1
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佐々木さんのお話
============== 佐々木さんには、まずご自身の生い立ち、 そしてなぜThe Leads Asia(TLA)を始めることとなったのかを話して頂いた上で、 TLAをご消化頂きました。
以下、お話しされた概要です。
田舎で育った(横浜⇒諫早)。それが後の自分の地方への考え方にも影響している。海外に出会ったのは9歳の時、書店でたまたま出会った、「民族の壁どついたる」という本を通して。
中学から大学では、韓流ブーム(KARAや少女時代)から、嫌韓ムードへの移り変わりを経験した。一体何が世の中で変わってしまったのか、理解できない自分がいた。
その後、大学は九州へ。大学や福岡でみかけるアジアの人々。香港へ留学し、中国本土のことも知りたいと思い、大学院では清華大学へ。The Leads Asia共同創設者の神山さんと一本の電話がきっかけでTLAを創設。
北東アジア人と言えるか?と聞かれてそう言えると答える人は、善し悪しはおいといて少ない。日本は日本人の意識が強いと思っており、TLAの設立はそこから来ている。
TLAは、ある問いに対して一緒に考える場にしたい。今は3つの活動、VoicesASIA、Dialogue 4.0、I See We See Newsを軸にしている。ドイツやスウェーデンのスピーカーとコラボした企画や、フィールドトリップをした際の記事などを執筆。
大牟田炭鉱の記事執筆にあたっては、炭鉱では強制労働はなかったという日本政府の見解に疑問を頂き、実施。大牟田市が行政としては1997年に強制労働の事実を認め、石碑等を立てており、現地のNPOを訪問した。
============== 参加者との対話 ============== その後、主企画者からの質問も含め、佐々木さんとの対話を行いました。 詳細は省き、概要を以下記載します。 一般的にスピーカーへの質問の場合は単純に(質問)と表記し、双方向で大勢を巻き込んで行われたものについてはそれがわかるように記載しています。
(質問)現在の活動はどのようなフェーズか? (回答)メンバーそれぞれの人生のステージが変わる中で、みんなコミットは難しい。問題意識をもっているだけですごいじゃん!と思うようにしている。共同創設者の神山さんと話すのは、常にTLAに来たら会える、という場所として存在したいということ。私達二人だけはずっとここにいる、それでいい。
(質問)団体として夢は? (回答)1回離れてしまった人も戻ってこれる、色々な経験をもって戻ってこれる、そんな場所でありたい。
(質問)大牟田市では行政が強制労働を認めているが、市の中で異なる立場の人とは対話はできているのだろうか。 (回答)石碑にいたずらをされることがあると聞いた。個人的な考えとして、石碑にまだそれを書く人がいるということ、行為が繰り返されるという事は、対話はできていないじゃないかと思っている。そういうことをする人たちが、まず前にはでてこない。
(参加者からのコメント)東アジアの平和構築について話すとき、なぜそう思うのか、反対の立場について知りたくなる。全部知っている人なんていない。東アジアで仲よくしよう、に痛みを感じる人もいるかもしれない。なんで痛みがくるのか、どこから来るのか。
(スピーカーからのコメント)日本の国防にとっても三ヵ国関係は大事。
(参加者からのコメント)文化的な交流は大事。親しみを感じやすくなる。近く感じないのは、異なる経済の仕組みなどがあるから。だからこそ文化の観点は大事。
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おすすめ/参考リソース
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今回、佐々木さんがトーク中に紹介していたリソースは以下となります。
民族の壁どついたる! (2007)
TLA記事:三池炭鉱を日韓のZ世代が歩いてみた①
TLA記事:三池炭鉱を日韓のZ世代が歩いてみた②
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次回について
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次回は7月の下旬、日韓関係についてで実施予定です。
■東アジア平和大使プロジェクトとは?🎵
東アジア平和大使プロジェクトの概要は以下をご覧ください。
※スケジュールやプログラム内容は若干変更する可能性がございます。
・東アジア平和大使プログラムをスタートさせました(2020年度)
・東アジア平和大使プロジェクト2021年初回